いじめの時間/江國香織 他

読んだ本の記録くらいつけよう、と思いました。
新潮文庫。いじめについてのオムニバス。作家は江國香織大岡玲角田光代野中柊湯本香樹実柳美里稲葉真弓
これ、10年前の本なのね。いじめは10年経っても変わらないし、より陰湿になっているのかなぁと、最近のニュースと照らし合わせて思ったりしました。角田光代柳美里は、いかにも!な、学校でのいじめのお話。大岡玲湯本香樹実が面白かったかな。大岡玲は読んでてちょっと気持ち悪かったけど。湯本香樹実は引き込まれた。でもやっぱり、江國香織が一番好きでした。 いじめ、よりも、こころの病のほうがメインで、いじめはぼんやりとしている気もしたけれど。全編通して、別に「いじめはだめだ!」って言うでもなく、「誰だっていじめたりいじめられたりする可能性はあるよ」っていう感じでした。解決策は自分で探してね、という感じ。唯一、稲葉真弓だけがハッピーエンドっぽくて、あとは救いのない感じでした。そのハッピーエンドだって、結局は「逃げる」ということで、逃げる以外には救われないのかと、かなしい気持ちになりました。これらのお話の、10年後を知りたいと思いました。