イニシエーション・ラブ/乾くるみ、リピート/乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

リピート (文春文庫)

リピート (文春文庫)

必ず2回読みたくなる!という触れ込みにのせられてイニシエーション・ラブを購入しました。読み終わってすぐにリピートを買いました。以下、感想。ネタバレなしに書けないのでたたみます。


イニシエーション・ラブ
女はこわいよ。したたかだよ。男はばかだなぁ、というのが感想でした。マユこわい。side-Aは普通に読み進んで、side-Bに入って、あれ??ってなりました。でも最初の方は、キャラ変わってね?と思いつつも、成長したのかな?と思っていました。意味がわかったのは、最後に美弥子の家に行ったときの「出身は物理学科」あれ?「男女七人秋物語はほとんど見てない。夏物語は見てたけど」あれ??で、回想で、あー!と一気に辻褄があった感じ。遅いよ…。で、話の本筋よりも、蓬莱美由紀が気になって、検索したら検証サイトに行き着いて、読み耽ってしまいました。国電には違和感あったけど、JRはスルーしちゃってたから気づかなかったなぁ。他にもいろいろ。よく気づいたなーと関心してしまいました。
こちらのサイトです。謎解き『イニシエーション・ラブ』 序章 時系列データ: 【ゴンザの園】
私は大学時代静岡県に住んでいたので、5章が興味深かったです。静岡市に住んでたわけじゃないけど、それでも懐かしい地名がいっぱい出てくるんだよね。DADAとか超行ったよ!デートの定番だったよ。富士の方の店舗しか行ったことないけど。彼氏とも行ったし、彼氏じゃない人とも行ったよ。懐かしいなぁ。たしかに、静岡デートスポット紹介小説なんだよね。というか、いかに静岡にデートスポットが少なく、また、80年代から変わっていないかっていうところが大変興味深いと思いました。田舎ってそんなもん?私が大学生だった時よりも15年くらい前なのに。
で、イニシエーション・ラブ。ちょっとマユごっことかやってみたくなったりならなかったり。でも、二十歳そこそこならともかく、今の私の年齢で初めてなのとかって無理あるよなー逆に気味悪いよなーと思って思いなおしました。そもそも二股とか出来ない。
そういえば、リピートも含めて、この人の描く男性はどうしようもない感じの男が多くて、魅力的な人がいない気がする。私にとっては、だけれど。あ、でも、イニシエーション・ラブの北原君は嫌いじゃないな。


リピート。
一気に読んだ。小説としてはこっちの方が好きかな。R0とかR1とかR9とか、その辺の時間軸の説明が頭の中でこんがらがったりもしたけれど。ループではなくて、それぞれR0,1,2,3は独立した時間軸なのが不思議。R9の毛利たちの肉体はどこへ行ってしまったんだろうとか、本筋とは関係ないことが気になってしまったり。読んでいて一番衝撃だったのは、トリックの解明よりも何よりも、

天童さんは「ギャフン」の部分に力を込めた。気分が高揚してきたのか、その後で不意にKANの『愛は勝つ』のサビの部分をいきなり歌いだして、僕を驚かせたりもした。

『僕』だけじゃなくて私も超驚いた。天童さんそんなキャラだっけ???愛は勝つて。愛なの!?衝撃。