Amy Says【エイミー・セッズ】/山田詠美

いわれのない優越感を漂わせながら、
偏見と侮辱を撒き散らす自称「良識派」に向けて、
洗練されたシニカルな筆致で詠美が放つ、絶対零度の怒りと軽蔑。
理不尽な仕打ちに震えた経験をもつすべての人を慰め勇気づける、痛快無比の辛口エッセイ集。

裏表紙のコメント。
読んでみて、確かにシニカルだし、軽蔑は感じたけれど、怒りなのかなぁ。よくわからない。
山田詠美さんの本は初めて。なんだか、いままで、なんとなく嫌いだと思っていて、読んだことがなかった。この本は、表紙とタイトルで買った。引き寄せられるように。MAYA MAXXの絵はすごい存在感だなぁと思う。好き。で、今まで理由もなく「山田詠美は嫌いだろう」と思っていたんだけど、いわゆる読まず嫌いで。たぶん、好きだ。これを読んだ感じでは、好きなんだろうなぁ。昔の村上龍の作品が好きなので、たぶん。こんど、読んでみよう。

で、この本の内容。三部構成になっていて、〓は人種差別について。〓は作者自身のことについて。〓は恋愛の話。大体、こんな感じ。〓が一番重くて、でも、読んでいて面白かった。〓はちょっとした物語みたくて、読みやすかった。女性誌に掲載されたっていうのがありありとわかる、小洒落た文章。結局はどの話も人種差別的なことにつながっていくのだけど、全体を通して、主張が一貫していて、とても力強い。
これが書かれた時と、今の日本とは、変わっているだろうか。この人はまだこれを主張し続けているんだろうか。そうじゃないといいけれど。
ぶらさがり族という言葉を初めて目にした。なんだそれ。言わんとするところはわからなくもないけれど、変な言葉。