優しくって少し、ばか/原田宗典

六つの作品から成る、短編集。全体的に少し後味の悪い作品集
で、表題作『優しくって少し、ばか』は他の作品から浮いているような感じもするけれど私は
これが一番
好き。
ってなんかそんな感じで。難しいなぁ。
風邪を引いている二人はとても素敵で、彼のこころの中もまたとても素敵。読後の感じも良かった。私の知っている原田宗典はこのお話にしかいなくて、ああ、あと『ポール・ニザンを残して』もそれに近いけれど、あとのお話ははじめてな感じ。実は『雑司ヶ谷へ』は読んでいなくて、怖くて、7ページ目から進めないでいる。本当に怖くて。読みたい、けれど読みたくない、ような。男の人の側からは知りたくないことのような気がして。逃げてばかり、すがってばかりいたらダメって知ってるけれど。『ポール・ニザンを残して』は割とスキ。というか読みやすかった。感情の流れもはっきりしているし。書きすぎない感じがとても良かった。ただ、私が不勉強すぎて何もわからないっていう。ドミニク・サンダ、気になるなぁ。よっぽどイイ女なんだろうな。