神社の境内のようなところを通って、並木道を抜けて、坂道を登って、着いたのは彼の住むマンション。彼の家の前に着くと、中から人がたくさん出てくる。あたしの後ろからも人がたくさん来る。あたしが戸惑っていると、女友達がやってきて、
「久しぶり!わたし今ここでバイトしてるんだー!」
と言う。あたしは話が飲み込めなくて、え?って聞き返す。困ってるあたしに友達は、
「ここ、先月服屋になったんだよ」
と言う。そして、
「708号室に空きが出たよ!ここに住むんでしょ?」
と言われる。
「住まないよ」
と答えて、友達に怪訝な顔をされながらも、あたしは服屋になった彼の部屋に入っていく。
中に入ってみると、台所とかは何もなくなっていて、棚がいくつか並んでいて、そこには服がいくつも置いてあって、鞄とか靴とか、彼の好きそうな感じのものがたくさん並んでいた。あたしは彼を探した。彼は接客をしていて、あたしが彼を呼び止めると少し迷惑そうな顔をした。
「家、こんなにしちゃって、今どこに住んでるの?」
あたしが聞くと、彼は
「それは言えない」
と言う。

そこで目が覚めた。